まなちゃん(仮名)はなかなか自信をもてない様で 皆にむけて何か質問をするとサッと友達の後ろに隠れます。どうしてあげたらいいのかな?「わからない事は はずかしい事じゃないから聞いてね」といつも皆に声をかけています。でもなかなか声も出ない・・・1年生になるとこちらから与えるばかりではもったいないので、子どもたちだけで自分の思いを より表現する場や仲間と一緒に表現する場を作っていきます。積極的に意見交換も行われ、一年生でもすごいと思う意見が飛び交って驚かされます。ある日「お母さんと一緒に」という企画をたててみました。子どもも大人も私の即興の音楽に合わせ自由に表現していきます。円陣を組み、タッチをしながら次々に動いていきます。周りは皆、手拍子をして応援して盛り上げていきます、まなちゃんのお母さんがタッチされました。お母さんは小柄で大人しい印象の方で、多くを話す事もない方です。でも休む事もなく五年間教室へ通ってくれていました。まなちゃんには兄弟もいて、どの子も同じ様に通って下さっていました。そんなお母さんが立つないなや曲に合わせ楽しそうにみんなの前をぐるぐる回りながら踊る様に動き始めました。そして時々、「いえ~~い」と回りの子どもたちに声をかけていくのです。子ども達は皆、すごく嬉しそうに手拍子をしています。皆、本当に楽しそう!  全員が終わって帰りの挨拶をした後、まなちゃんがものすごい勢いで駆け寄って来たのです。そして興奮した様子で「まなのお母さんだけ声出した!まなのお母さんだけ声出した!」とずっと嬉しそうに自慢する様に言っているのです。「お母さん 素敵だったね」と言うと「うん!」と目を輝かせて帰って行きました。次の週からのまなちゃんは大変身!どんどん積極的になり、動きも意見もびっくりするくらいに成長していきました。  どんな場面でも お母さんの一生懸命な姿は 子どもにとって宝物なのだと思いました。子どもに要求する分、私たち大人もどんな些細な事でも真剣に向き合っていかなくてはならないとつくづく教えられた一日でした。あの時のお母さんの姿は 今も目に焼き付いています。  現在まなちゃんはすっかり大人になり社会人になりました。とても感性豊かな女性です。・・この時の事は何も覚えてない様ですが、中学生の頃に「感謝しなさいね」と言って話した事がありました。そんな時は目をきらきら輝かせて嬉しそうに聞いてくれました。いい親子関係なのでしょう  ふとそういう風に思いました。   お母さんの魔法が見事にかかた出来事でした、